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肌の構造はどうなっている?乾燥や刺激から皮膚を守る仕組み

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肌は私たちの身体を乾燥や紫外線、細菌、ダスト、化学物質などから守るためのバリアの役割を果たしています。しかし、肌自体がダメージを受けたり、外部からの刺激を受けた場合、肌のバリア機能が弱まってしまい、肌荒れや乾燥、敏感肌、アトピー性皮膚炎といったトラブルを引き起こすことがあります。では、こうしたトラブルを防ぐために、肌はどのような仕組みで身体を守っているのでしょうか?

そこで今回は、肌がどのように乾燥や刺激から身体を守っているのかについて、詳しく解説します。まず、肌の構造や主な働き、さらに、乾燥や刺激から肌を守るために必要な保湿ケア生活習慣などもご紹介します。なんらかの肌トラブルを抱えている人は、これを機に肌の構造や働き、自分の肌に合ったケア方法をぜひ学んでみましょう。

基本的な肌の構造

肌は、体の中で一番外側にあり、外部からの刺激から身体を守る重要な役割をもっています。肌は、表皮、真皮、皮下組織の3つの層で構成されており、それぞれ異なる役割を担っています。3つの層が密接につながり合うことで、バランスを保ちながら機能し、健康的な状態を維持することができるのです。

ここでは、それぞれの構造や働きについてお話しします。


表皮

表皮は、皮膚を構成する「表皮」「真皮」「皮下組織」の中でも一番薄く、厚さは平均0.2mm程度で、皮膚の一番外側に位置しています。表皮の細胞の主成分はケラチノサイト(角化細胞)であり、表皮細胞が古くなると、角質細胞として表皮の表面に現れ、剥がれ落ちます。この表皮の生まれ変わりのことをターンオーバーと呼びます。

表皮は、上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層で構成されています。そして、表皮の中でも一番外側にある角質層は、肌の保湿や外部からの刺激から肌を守るなど「バリア機能」という重要な役割を担っています。そして、表皮の一番下にある基底層には、メラノサイトという細胞も存在します。メラノサイトは、肌の色素をつくり出す細胞で、紫外線などの刺激によって活性化されます。メラノサイトがつくり出す色素が過剰に生成されると、シミやそばかすの原因となることがあるので、肌の健康を保つためには、メラノサイトの過剰な活性化を抑制することが大切です。

真皮

真皮の約70%は、肌に弾力を与えるコラーゲン線維が占めています。そして、このコラーゲン線維を束ねているのが、しなやかさを与えてくれるエラスチン線維です。これらの繊維が緊密に絡み合い、私たちの肌の弾力やハリを保つ重要な役割を果たしています。

また、コラーゲン線維やエラスチン線維の間には、水分やタンパク質、糖質、ヒアルロン酸などの成分が含まれており、肌の保湿や栄養補給に大きく関わっています。

しかし残念なことに、年齢とともに、コラーゲン線維やエラスチン線維は減少してしまうため、肌の弾力やハリが失われることがあります。肌のハリや弾力をサポートするには、栄養バランスの良い食事や適度な運動、またはサプリメントや化粧品での補給が必要です。

紫外線やストレス、タバコなどの影響も真皮にダメージを与え、コラーゲン線維やエラスチン線維の減少を引き起こす原因となるため、肌の健康を保つためにも、紫外線対策やストレスの軽減、禁煙などの生活習慣の改善を意識しましょう。

皮下組織

皮下組織は、肌の下に位置する層で、大部分が「皮下脂肪」で構成されています。この層は、外部からの衝撃を緩和する「クッション」のような働きを持っており、肌や内臓を守っています。また、皮下組織は体温を維持する重要な役割も担っており、体内で作られる熱と体外に逃げる熱のバランスを調整して、正常な体温を保っています。

また、血管や神経が通っているため、栄養素や酸素を供給し、老廃物や二酸化炭素などを体外に排出する重要な場所でもあります。

皮下組織に蓄えられる皮下脂肪は、栄養素を貯蔵するだけでなく、外見にも大きく影響します。適度な運動やバランスのとれた食事が、肌や体型に影響することにもつながります。過度なダイエットは控え、運動不足に気を付けるなど、生活習慣を意識して、健康な体を維持することが大切です。

肌の構造がもたらす主な働き

肌は、表皮、真皮、皮下組織の3つの層が、それぞれの持つ機能や特徴により、多くの役割を果たして私たちの肌を健やかに保ってくれています。肌の構造がもたらす主な作用は、保護や弾力、保湿、温度調節など、多岐にわたるので、それぞれの作用・働きについて解説していきます。

保護作用(肌のバリア機能)

肌は外部からの刺激や異物を防ぐバリア機能を持っています。肌のバリア機能は、物理的な衝撃や乾燥、紫外線などの外的刺激から肌を守り、化学物質や細菌といった異物の侵入も防ぐ役割があります。肌のバリア機能が弱まると、肌荒れや乾燥などの肌トラブルが起こる可能性が高くなります。表皮を構成する、皮脂膜、NMF(天然保湿因子)、細胞間脂質といった要素がバリア機能を支えています。

・皮脂膜:
皮脂で構成され、汗に混ざって肌の表面を覆い、乾燥や摩擦から肌を守る役割を持ちます。

・NMF(天然保湿因子):
肌のうるおいの素であるアミノ酸などで構成されており、化粧水などに含まれる水分や保湿成分を蓄える役割があります。

・細胞間脂質:
角質細胞の間にある脂質で、角質層を密着させることで外部からの刺激を防ぎ、角質細胞内の水分を保持する機能を持っています。

吸収作用

皮膚には、物質を吸収する働きがあります。具体的には、化粧品や薬剤、または水分などの栄養素を、表皮や毛穴を通して吸収する働きがあります。例えば、保湿成分や美白成分など、必要な成分を含んだ化粧品を使うことで、肌に必要な栄養素を補給することができたり、薬剤を塗布することで、症状の改善を促すことができます。適切な使用方法を守り、肌の吸収作用を利用しながら、健康的な肌の維持に役立てることが大切です。
※角層まで

貯蓄作用

肌には貯蓄作用というものもあります。代表的なものが皮下脂肪です。皮下組織の大部分を占める皮下脂肪は、エネルギー源や栄養素の蓄積場所としての機能を持っています。また、皮下脂肪は体の形状を整える役割も果たしており、体温調整にも大きく関わっています。

ただし、過剰な皮下脂肪は肌をたるませる原因となったり、ニキビなどの肌トラブルを引き起こすことがあるため、バランスのとれた食生活や運動などを心がけることが大切です。

感覚作用

肌は痛み、温度、圧力などの外部からの刺激に敏感に反応し、刺激の程度や種類に応じて感覚を生じる感覚作用があります。例えば、熱いものを触れたときには「熱い」と感じたり、冷たいものを触れたときには「冷たい」と感じたりすることです。

感覚作用は、日々のスキンケアにも関わっています。例えば、肌に対するマッサージや軽いタッピングなどの刺激によって、血行が促進され、肌がイキイキします。

体温調節作用

皮下組織には脂肪が豊富に存在しており、体温調節にも重要な役割を果たしています。脂肪は断熱材のように働き、体内で作られる熱を保ち、外気へ逃がさない役割を持っています。

気温が低く寒さを感じるときには、血管が収縮して血流を抑え、体温を維持しようとします。反対に、暑い時には血管が拡張して血流を増やし、汗をかいて熱を発散しようとします。このように、肌は体温を維持するための重要な器官であり、正常な体温を保つために欠かせません。

分泌作用

肌には汗腺や皮脂腺といった分泌腺があり、皮膚表面の湿度やpHなどを調節する役割を持っています。汗腺からは水分やミネラルが分泌され、身体の熱を放出して体温を調節しています。

そして、皮脂腺からは皮脂が分泌され、皮脂膜として肌の一番外側で、肌の表面を保護したり、水分蒸発を防いだりする役割を担っています。しかし、皮脂の分泌量は年齢とともに減少する傾向にあるため、スキンケアで油分を補うことが大切です。

排泄作用

肌は、汗をかくことによって排泄機能を持っています。この汗によって、体内に溜まった余分な水分や塩分、老廃物質を排出する働きがあり、汗に含まれる乳酸や尿素などの老廃物質が排出されることで、体内の毒素を排出することにもつながります。

知覚作用

肌は人体最大の感覚器官とも呼ばれ、外部からの刺激を感じ取ることができます。肌の知覚作用には、触覚、温度感覚、痛覚、振動覚、圧力感覚などがあります。

触覚は、物体の表面に触れたときに、触覚受容器によって感じられます。温度感覚は、冷たい・温かいといった温度の変化を感じることができ、痛覚は、損傷や刺激によって引き起こされる痛みを感じ取ることができます。振動覚は、肌に加わる振動を感じ取り、圧力感覚は、物体の重さや強さを感じることができます。このように、知覚作用は、日常生活において欠かせないものです。なかでも、痛覚は特に敏感といわれています。

皮膚を守るために心がけるポイント

皮膚は、私たちの体を外部から守る最も重要な器官の一つです。しかし、乾燥した空気、紫外線、汚染物質、摩擦、化学物質などによって、皮膚がダメージを受けることがあります。

皮膚が健康であれば、炎症や乾燥、アレルギー反応などのリスクが低くなり、外部からの刺激にも強くなるため、紫外線対策や正しいスキンケアなどを意識して健やかに保ちましょう。ここでは、皮膚を守るために心がけたい3つのポイントをご紹介します。

紫外線対策を行う

紫外線は、肌に直接あたることでシミやシワ、くすみ、さらには皮膚ガンなどの原因となることがあります。そこで、肌を守るためには紫外線対策が欠かせません。

まず、欠かせないのは日焼け止めです。天候や季節を問わず紫外線は降り注ぐため、紫外線量が強い時期だけでなく1年中意識して塗るのが好ましいです。日焼け止めに表示されている、SPF値は紫外線B波(UVB)に対する防御効果を、PA値は紫外線A波(UVA)に対する防御効果を表します。紫外線B波は、肌を赤く炎症を起こし、シミやソバカスの原因となります。また、紫外線A波は、肌の奥深くまで届き、シワの原因となることが多いです。SPF値、PA値の両方を意識して日焼け止めを選ぶようにしましょう。

そして、外出時には長袖、長ズボン、帽子、日傘などで肌を覆うようにしましょう。また、肌を乾燥させないように心がけ、刺激からも守ることも大切です。紫外線対策を万全にして、素肌美人を目指しましょう。

肌を清潔に保つ

肌を清潔に保つことは、肌の健康にとって非常に重要なポイントです。肌には常に雑菌や汚れが付着しているため、清潔に保たないと肌トラブルの原因になります。

しかし、肌を清潔に保つためにと、過剰な洗顔やクレンジングをすると、かえって肌を痛めてしまうことも。洗浄力が強すぎるクレンジングアイテムや洗顔料を使用すると、肌の必要な皮脂や水分まで取り除いてしまい、肌が乾燥してしまう恐れがあります。肌を清潔に保つためには、洗浄力が強すぎないクレンジングアイテムや洗顔料を選び、よく泡立てて優しく洗うように心がけましょう。

落とすケアだけでなく、肌に触れるものを清潔にすることも大切です。枕カバーやタオルなどはこまめに取り替え、清潔なものを使用するようにしましょう。

十分な保湿を行う

肌をキレイに保つには、保湿が欠かせません。肌のうるおいを保つためには、油分と水分のバランスを整えることがとても大切です。洗顔後はなるべく早くスキンケアを行いましょう。化粧水や乳液だけでは保湿力が足りない場合には、保湿成分の豊富なアイテムに切り替えたり、美容液やクリーム、フェイスパックをプラスしましょう。

肌の保湿に効果的な成分をいくつか紹介します。
まず、ローヤルゼリーは、栄養豊富で保湿効果があるとされています。肌の水分を保ち、肌の弾力をアップさせる効果も期待できます。

次に、コラーゲンも肌のハリや弾力を保つために重要な成分です。コラーゲンを含む美容液や化粧品を使用することで、肌の保湿効果を高めます。

複合ムコ多糖類は、肌の水分保持力を高める効果があります。保湿力が高いとされる植物成分で、スキンケアアイテムによく使用されています。

水抽出ヨクイニンエキスは、還元力があることが知られており、若々しい印象をキープすることに役立ちます。また、保湿効果もあり、乾燥肌の方に特におすすめです。

最後に、プロテオグリカンは、肌をイキイキと見せる効果があることが知られています。保湿力も高く、肌のハリや弾力のサポートが期待できます。

また、乾燥を防ぐために、加湿器を使ったり、こまめに水分補給をすることもおすすめです。肌の水分を保ち、健康的な肌を保つために、スキンケアには十分な時間と手間をかけるようにしましょう。
>「保湿によって得られる肌への効果とは?アイテムの選び方と注意点」はこちら
>「肌のうるおいを守る保湿方法|乾燥を避けるべき理由とは?」はこちら

「美肌は、肌の役割と正しいケア方法を知ることから始まります!」

皮膚は、外的刺激から肌を守ったり、水分を保ったり、ハリや弾力を保つだけではなく、体温の調節や、感覚器官として、私たちの体を守るための大切な役割を果たしています。

皮膚を守るためには、
・紫外線対策を意識すること
・肌を清潔に保つこと
・保湿をすること

以上が、皮膚を守るために心がけるポイントです。皮膚は、美しく保つだけでなく、私たちの健康を守るために重要な役割を果たしています。時にはじっくりと肌と向き合う時間をもつようにして、肌を労わってげることが美肌への近道になるでしょう。

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