
クレンジングのポイントは「こすらない」こと!アイテムの選び方は?
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透明感のある肌やツルンとした手触りのよい美肌を保つには、毎日のメイクを残さず落とすことが欠かせません。その際に、「しっかり落とそう…」「手早く落としたい…」なづと、はやる気持ちから、無意識に力が入っていませんか?
最近では「こすらないケア」を耳にすることも増えてきましたが、クレンジングや洗顔ではついついこすってしまいがち。摩擦は、バリア機能の低下を引き起こし、乾燥やくすみ、シワなどの肌トラブルの原因にもつながります。美肌を目指すためにも、今一度、ケアの見直しをすることが大切です。今回は、クレンジングのポイントとアイテムの選び方などを詳しくお伝えしていきますので、ぜひ今日から実践してみましょう。
こすらないクレンジングをおすすめする理由
まずは肌の仕組みとメカニズムから、こすらないクレンジングがなぜ良いのか、理解を深めていきましょう。
肌の表皮は非常に薄くデリケート
肌の表皮は、4つの層で構成されています。
・角質層(かくしつそう)
・顆粒層(かりゅうそう)
・有棘層(ゆうきょくそう)
・基底層(きていそう)
新しい肌細胞は、表皮の一番下層にある「基底層」で生まれています。
驚くことに、肌は、この4つの層を合わせて約0.07mm~0.2mmといわれ、とても薄い膜になっています。特に顔は、体の表皮に比べて薄くデリケートです。この薄さから見ても、こすらない方が良い気がしてきますが、その理由を見ていきましょう。
こすらない方がいい理由:その①ターンオーバーの乱れを防ぐため
肌細胞が、生まれてから古くなって剝がれ落ちるサイクルのことを「ターンオーバー」といいます。クレンジングの際に、メイクや汚れ、毛穴の詰まりなどを落とそうとして肌をこすってしまうと、刺激になって炎症を起こしたり、肌の表面にある角質層が傷ついてしまう場合があります。すると、ターンオーバーの乱れを招きやすくなってしまうのです。
角質層は、下からどんどん新しい細胞が生まれて、層になって積みあがっていく最終地点。角質は10~20層ほどありますが、刺激や傷をつけてしまうと、新陳代謝が弱まり、サイクルの周期が変わってしまうことで、層の厚さが乱れ、乾燥やごわつき、たるみなどの肌悩みに繋がりやすくなってしまうのです。そのため、クレンジングや洗顔の際に肌をこすらないことが、ターンオーバーの乱れを防ぎ美肌を保つコツとなります。
こすらない方がいい理由:その②肌のバリア機能の低下を防ぐため
肌には、「バリア機能」という、うるおいをキープしたり、紫外線や外的刺激などで、水分が蒸発しないように、肌の水分バランスを守る機能が備わっています。そのバリア機能は、肌をこすって刺激することで低下し、肌の水分をキープするのが難しい状態になります。
そもそも、バリア機能とは、どんな働きのことなのでしょうか?バリア機能には、肌の一番外側の角質層が大きく関わっています。詳しくは次の3つの要素に分けられます。
【皮脂膜】
角質層の表面を覆う、保護膜のこと。皮脂腺から分泌される皮脂と汗腺から分泌される汗の水分が混ざり合って、天然のクリームとして、うるおいと滑らかな肌を保ちます。洗顔の洗い上がり後に、しばらくすると自然につっぱりがなくなるのは、皮脂膜のおかげです。
【天然保湿因子(NMF)】
角質細胞の中にあり、約半分をアミノ酸で構成されている「天然のうるおい成分」のこと。水溶性の保湿剤の役割があり、一旦水と結合すると、離れにくく蒸発しにくい水分になります。化粧水の成分を保つのにも一役買っている存在です。
【角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)】
約50%がセラミドで構成されている脂質成分のこと。わずか0.02mmの角質層の中にある、細かな角質細胞の間を満たし、すき間をセメントのようにしっかりと密着させて、水分を挟みこむことで、水分を逃がさない役割を持っていたり、刺激からの保護、アレルギーの原因物質や細菌、ウイルスの侵入を防いだりしています。
このように、角質層は極めて薄い膜の中で、重要な働きをしてくれているので、大切に扱っていきたいところ。肌をこすらないことで肌のバリア機能の低下を防ぎ、うるおい溢れる、生き生きとした肌の健康や美しさを保つことにつながります。
肌をこすらないクレンジングのポイント
肌に摩擦となる刺激を与えないようにするには、クレンジングの仕方にポイントがあります。ここでは、メイクを落とすときに美肌に近づける3つのポイントをご紹介します。普段こすったつもりがなくても、無意識にやってしまっているかも?ぜひ、習慣化していないかチェックしてみてください。
クレンジングアイテムは適切な使用量を守って使う
クレンジング剤は、十分な量を使いましょう。
メイクを落とす際は、肌にダメージを与えないように、クレンジング剤を肌との間のクッションにすることで摩擦を軽減させることができます。使用量が少ないと、肌に摩擦が生じやすくなるため、パッケージに記載されている使用量を目安か、それよりもやや多めを心がけましょう。
落ちにくいメイクにはポイントリムーバーを使う
アイメイクやリップは、専用のポイントリムーバーを使いましょう。
目元や口元のメイク残りは、メイクの油成分が酸化し肌の炎症を起こしやすくなります。その炎症から守るため、メラニンが作られてしまうことで肌のくすみにつながるおそれがあります。特に、ウォータープルーフマスカラやアイライナーは、通常のクレンジングでは落としにくく、残りがち。そのため、通常のクレンジングだけだと、念入りに落とそうとするあまり、肌への摩擦が起きやすくなってしまうのですが、肌をこすることも、くすみの原因になるので注意が必要です。そのため、メイクが落ちにくい場所には、ポイントリムーバーを使うことで、肌への負担を軽減させることができます。
肌には優しく触れる
絹ごし豆腐に触れるように優しく肌に触れましょう。
肌をこすってしまうのは肌荒れの原因に。無意識にしてしまいがちな以下のことを気をつけましょう。
・クレンジングや洗顔でのゴシゴシ洗い
・すすぎ時の摩擦
・洗顔後の水分の拭き取り
気になるところにはつい、力が入りやすくなってしまうかもしれません。しかし、クレンジングや洗顔の際には、クレンジング剤や泡に汚れを吸い付かすイメージで転がし、指に力を入れないように肌を優しく扱うことで、こすりにくくなります。そして、すすぎ時は「ノータッチ」を心がけて、丁寧に流しましょう。水分の拭き取りも、水分だけを吸わせるように、タオルを優しく肌にあてるようにしてください。
クレンジングアイテムの選び方
クレンジングアイテムを選ぶときには、肌への負担が少ない、よりクッション性の高いアイテムを選ぶのがおすすめです。シートタイプやオイル、バーム、ジェル、リキッド、クリーム、ミルクなど、いくつも種類がありますが、肌への摩擦が少ないものを選びたいところ。肌に優しいクレンジングをするには、それぞれの特徴を使い分けるのがコツです。どんなときにどのクレンジングが合うのかを見ていきましょう。
肌への刺激の少ないものを選ぶ
クレンジングは、肌への負担と洗浄力を考えながら、肌に優しいクレンジングを選びましょう。
乾燥肌や敏感肌の人には、肌当たりが優しく洗浄力が高すぎないミルクタイプやクリームタイプがおすすめです。そして、ミルクタイプやクリームタイプが苦手という人や、しっかりメイクの日は、素早く落ちるジェルやオイル、バームタイプを使うと洗浄力が高いものが多く素早く落ちるため、こすり洗いを避けるためにはおすすめです。このオイル系のクレンジングは、乾燥肌には不向きという印象がありますが、最近は保湿成分などの美容成分が豊富に含まれているアイテムもあるため、成分なども含めて選ぶと選択肢が広がります。肌に負担が少ないクレンジングを使うことで、明るい透明感のある肌へと導くことができます。
肌に合うものを選ぶ
「スキンケアを頑張っているのに、肌トラブルを繰り返してしまう…」という場合は、もしかしたら、クレンジングが肌に合わないことが原因かもしれません。「雑誌に載っていたから」「芸能人が使ってるから」という理由でアイテムを選ぶことはありませんか?美肌のためには、自分の肌に合ったアイテムを使うのが大切です。使ってみて、毛穴の状態や乾燥具合、ニキビなどのトラブルが起きないかを注意して自分の肌を観察しましょう。
クレンジング中に肌に痛みや違和感がある場合は、使い続けず違うアイテムに変えるのがおすすめです。また、肌が弱くなっていると感じている時は、クレンジングアイテムを使用する前に、パッチテストをしてから使用してみるのも良いでしょう。
【パッチテストのやり方】
上腕の内側にある、肌が薄い部分で行います。クレンジングは、コップに200ccの水を入れ、クレンジング剤を1滴ほど入れて薄めます。
①パッチテストをする部分を石けんでよく洗い、よくすすいだ後、優しくタオルオフします。
②洗った部分に、薄めたクレンジング剤を500円玉のサイズに塗ります。
※塗った後、かゆみや赤み、ヒリヒリするなどの刺激などの異常を感じたら、すぐに水でよく洗い流してください。
※入浴時には、塗った箇所をこすらないようにしましょう。
③3日間連続して変化がないか確認して、問題なければ使用できると判断できます。
※化粧品にアレルギーなどの心配がある場合は、パッチテストの期間を7日間に延長して試してみてください。
こすらないクレンジングでもっと美しい肌へ
お肌は毎日ケアをするものだからこそ、扱い方が大切です。間違ったクレンジング習慣を続けることで、くすみやシワといった肌トラブルなど、避けたい肌状態を招いてしまうことがあります。まずは、肌に合ったクレンジング剤を使って「こすらない習慣」を身につけながら、美肌を目指していきましょう。
