食べ物は乾燥肌に影響している?おすすめの栄養素と食生活のポイント
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乾燥肌は、肌が乾燥し、かゆみや赤み、ひび割れ、粉吹きなどの症状を引き起こすことがあります。「顔を洗った後、ピリッとする」とか「化粧ノリが悪く、ファンデーションが乗らない」など日々のスキンケアでの悩みも多くなってきます。
さらに、乾燥肌を放置しておくと、二次被害が起こることがあります。例えば、乾燥した肌に細菌やウイルスが繁殖することで、感染症を引き起こす可能性も。
また、肌のバリア機能が低下するため、アレルギー症状や肌荒れの原因にもなり、肌の老化が進む可能性もありますので要注意です。
そこで、今回は日々の食事面から見た、乾燥肌を防ぐ対処方法をご紹介します。
乾燥肌と食べ物は関係性がある?
実は、乾燥肌と食べ物には関係があります。栄養不足や過剰な摂取、食生活の乱れなどが原因で、肌の水分量が不足し、乾燥肌を引き起こすことがあります。
栄養バランスの偏った食事は、肌のターンオーバーを乱す原因の一つです。肌のターンオーバーは、新しい細胞が生まれ、古い細胞が剥がれ落ちるプロセスです。健康な肌の場合、このプロセスは正常に進み、肌が常に新しい状態に保たれます。
しかし、栄養バランスの偏った食事は、肌のターンオーバーを乱すことがあります。例えば、ビタミンやミネラルの不足は、肌の細胞の再生を妨げるため、肌のターンオーバーが遅くなります。また、過剰なアルコールの摂取は、肌のバリア機能を低下させ、肌の老化を早めることがあります。
健やかで美しい肌のためにも、ビタミンやミネラルを含む食品を積極的に摂り、バランスの良い食事を心がけることで、正常な肌のターンオーバー、肌を乾燥から守るバリア機能を健やかに保ちましょう。
乾燥肌の予防に摂取したい栄養素
乾燥肌予防に効果的な食材や食事のポイントは、野菜、魚、果物、ナッツ類、水分補給などから得られる栄養素を積極的に摂取することです。また、過剰摂取や間違った調理方法をすると、逆効果になったり、体の不調のきっかけになる可能性もあるため注意が必要です。
タンパク質
タンパク質は、肌の主成分であるコラーゲンやエラスチンの生成に必要なアミノ酸を提供し、肌のハリや弾力性を維持する役割を果たします。
乾燥肌の人は、肌の水分量が低下しているため、肌の弾力性が失われています。そこで、タンパク質を摂取することで、肌の弾力性や柔軟性を保つことができます。
タンパク質は、肉類、魚介類、豆類、卵などに多く含まれています。ただし、過剰なタンパク質摂取は、肝臓や腎臓などに負担をかけることがあるため、食べ過ぎには注意しバランスのとれた食事を心がけましょう。乾燥肌対策におすすめのタンパク質レシピをご紹介します。
〈鮭のムニエル〉
【材料】
鮭の切り身、塩、こしょう、小麦粉、卵、パン粉、オリーブオイル
【作り方】
①鮭の切り身に塩とこしょうを振り、小麦粉をまぶします。
②卵に塩とこしょうを加え、混ぜ合わせます。
③パン粉を別の皿に準備します。
④フライパンにオリーブオイルを熱し、鮭に卵液をからめた後にパン粉をまぶしてからフライパンに入れ、両面を焼きます。
〈鶏の胸肉のグリル〉
【材料】
鶏の胸肉、塩、こしょう、オリーブオイル、レモン
【作り方】
①鶏の胸肉に塩とこしょうを振り、オリーブオイルを塗ります。
②グリルパンに鶏肉を入れ、両面を焼きます。
③焼きあがったらレモンを搾ってかけます。
〈豆腐と野菜の炒め物〉
【材料】
豆腐、しめじ、パプリカ、ニンジン、ごま油、しょうゆ、酒
【作り方】
①野菜を食べやすい大きさに切ります。
②フライパンにごま油を熱し、野菜を炒めます。
③豆腐を加え、しょうゆと酒を加えて味を調えます。
ビタミンA
乾燥肌の人は、肌の角質層が薄くなっており、外部からの刺激や乾燥に弱くなっています。そこで、ビタミンAは肌の角質層を厚くすることで、外部からの刺激を受けにくくし、肌を整える効果が期待できます。
また、ビタミンAは肌環境を整え、肌のターンオーバーをサポートし、弾力のあるみずみずしい肌へと導く効果があります。
ビタミンAは、レバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれています。ビタミンAの過剰摂取は、健康被害を引き起こすことがあるため、医師や専門家の指導を受けながら摂取することをおすすめします。
簡単に美味しくビタミンAが摂れるおすすめスープのレシピをご紹介します。
〈カボチャのスープ〉
【材料】
カボチャ、玉ねぎ、にんにく、オリーブオイル、水、塩、こしょう、牛乳
【作り方】
①カボチャを食べやすい大きさに切ります。
②玉ねぎとにんにくをみじん切りにします。
③フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎとにんにくを炒めます。
④カボチャを加え、水を入れて柔らかくなるまで煮ます。
⑤ブレンダーやミキサーでなめらかになるまで混ぜます。
⑥再びフライパンに戻し、牛乳を加えて温めます。
⑦お好みで塩、こしょうで味を整えて完成です。
ビタミンB2
ビタミンB2は、肌の乾燥や荒れを防ぐ効果があります。また、ビタミンB2は、肌のターンオーバーをサポートし、皮膚の柔軟性を保つ効果があります。
さらに、ビタミンB2には、還元力があるため、肌のキメを整える効果も期待できます。ビタミンB2は、細胞内で活性酸素を取り除く働きがあり、紫外線やストレスなどから肌を守ることができます。
ビタミンB2は、レバー、肉、卵、魚介類、乳製品、穀類などに多く含まれています。ただし、加熱や調理の際には壊れやすいため、食品の扱いには注意が必要です。
こちらもおすすめレシピをご紹介します。
〈レバーペースト〉
【材料】
レバー、牛乳、玉ねぎ、ニンニク、バター、オリーブオイル、レモン汁、塩、こしょう
【作り方】
①レバーを牛乳に20~30分つけて臭みを抜きます。
②キッチンペーパーでレバーの水気を取ります。
③レバーを茹で、水気をしっかりと切っておきます。
④玉ねぎとニンニクをみじん切りにし、バターとオリーブオイルで炒めます。
⑤炒めた玉ねぎとニンニク、レバー、レモン汁、塩、こしょうをフードプロセッサーで撹拌します。
⑥好みの固さになるまで撹拌し、完成です。
固めのバケットなどに付けるとワインなどにも合って美味しいですよ。
ビタミンB6
ビタミンB6は、肌にうるおいを与え、皮膚の水分、油分を補い保つ作用があります。皮膚や髪の健康維持に必要な栄養素です。
また、ビタミンB6は、蛋白質や脂質の代謝を助けることができます。これにより、正常なターンオーバーをサポートし、肌の乾燥や荒れを防ぐことができます。
ビタミンB6は、豚肉、鶏肉、魚、大豆、卵、乳製品、野菜、果物などに含まれています。ただし、ビタミンB6は熱に弱いため、加熱調理によって失われることがあります。
美味しく摂れるレシピをご紹介します。
〈鮭のお茶漬け〉
【材料】
鮭、ごはん、緑茶、醤油、みりん、塩、白ごま
【作り方】
①鮭は皮を取り除いて、一口大に切って塩を振ります。
②水のかわりに緑茶でご飯を炊きます。
③鍋に醤油、みりん、水を入れて火にかけ、鮭を入れて蓋をして蒸し焼きにします。
④お茶漬け用の器にご飯を入れ、鮭をのせます。
⑤鮭の蒸し汁を鍋に戻し、ビタミンB6が豊富な白ごまを入れて火にかけ、軽く煮立てます。
⑥④に、白ごま入りの煮汁と緑茶をかけて完成です。
ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンの合成を促進し、肌の弾力性やハリを保つのに必要な栄養素です。また、ビタミンCは還元力が高く、若々しさを保つ効果も期待できます。さらに、ビタミンCは免疫力をサポートし、肌の抵抗力を強化することができます。
ビタミンCは、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、いちご、キウイフルーツ、パプリカ、ブロッコリー、トマトなどに多く含まれています。果物に多く含まれるため、そのまま食べるのがおすすめです。
ビタミンE
ビタミンEは、肌の保湿力を高め、肌のバリア機能を強化することができます。また、ビタミンEは、肌への還元力を持っているため、シワやたるみなどの肌のトラブルを予防することができます。
ビタミンEは、アーモンド、アボカド、ひまわりの種、ピーナッツ、オリーブオイル、アサイーなどに多く含まれています。手軽に摂取することができる、サラダのトッピングとしてかける方法などがおすすめです。
ただし、ビタミンEを過剰に摂取すると、血液が固まりにくくなるなどの健康問題が起こることがあります。適切な摂取量を守るようにしましょう。
セラミド
セラミドは、角質層に存在する脂質の一種で、肌の保湿力を高める働きがあります。乾燥肌に悩む人は、セラミドの不足が原因とされることがあります。そのため、セラミドを摂取することで、肌の保湿力を高めることができます。
セラミドを多く含む食品としては、大豆、玄米、アボカド、ナッツ類、魚介類などがあります。また、サプリメントや化粧品にも配合されていることがあります。
美味しくセラミドを摂れるおすすめレシピです。
〈アボカドとアーモンドのスムージー〉
【材料】
アボカド、アーモンド、牛乳、はちみつ
【作り方】
①アボカドを半分に切り、種を取り除いて実をスプーンで取り出します。
②アーモンドを細かく刻みます。
③ブレンダーにアボカド、アーモンド、牛乳、はちみつを入れ、滑らかになるまで混ぜます。
亜鉛
亜鉛は、皮膚や粘膜を健康に保つために必要な栄養素の一つです。亜鉛を摂取することで、肌の保湿力を高めることができます。
亜鉛は、主に貝類、牛肉、豚肉、鶏肉、大豆などの食品から摂取することができます。
ただし、亜鉛を過剰に摂取すると、銅の吸収が悪くなり、貧血や免疫力の低下などの副作用が起こる可能性があるため、適切な摂取量を守るようにしましょう。
ランチにもおすすめのパスタレシピをご紹介します。
〈あさりと枝豆のパスタ〉
【材料】
あさり、枝豆、パスタ、ニンニク、オリーブオイル、塩、こしょう、パセリ、レモン汁
【作り方】
①パスタを茹でます。
②フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、香りが出るまで炒めます。
③あさりを加え、ふたをして火を通します。
④枝豆を茹でます。
⑤パスタ、あさり、ニンニク、オリーブオイル、枝豆をボウルに入れ、塩、こしょう、パセリ、レモン汁を加えて混ぜます。
必須脂肪酸
必須脂肪酸は、体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。特に、オメガ-3系必須脂肪酸のDHAやEPAは、肌の保湿作用があるため、乾燥肌の予防や改善に効果的とされています。
オメガ-3系必須脂肪酸は、青魚やアボカド、ナッツ類、亜麻仁油などの食品に多く含まれています。また、サプリメントとしても市販されているため、手軽に摂取することができます。
ただし、オメガ-3系必須脂肪酸は、過剰に摂取すると血液がサラサラになりすぎて、出血のリスクが高くなることがあります。また、高カロリーであるため、適量を守りながらバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
こちらがおすすめのレシピです。
〈サンマのアーモンドフライ〉
【材料】
サンマ、スライスアーモンド、小麦粉、塩、こしょう、揚げ油、レモン
【作り方】
①サンマの頭と尾を切り落とし、開いて骨を取り除きます。
②スライスアーモンドを小麦粉と混ぜます。
③サンマに塩とこしょうをふり、アーモンドと小麦粉の混ぜ合わせたものをまぶします。
④揚げ油でサクッと揚げ、レモンを搾ってかけて完成です。
乾燥肌を避けるために意識したい、食べ物を摂取する際のポイント
肌の健康に必要な栄養素は多岐にわたるため、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。食材の品質にも注意が必要です。肌に良いとされる食材でも、農薬や添加物が多く含まれていると、かえって肌に悪影響を与えることがあります。できるだけ無農薬やオーガニックの食材を選ぶようにしましょう。
食べる食材の種類をできるだけ増やす
1.毎食野菜を摂る
野菜にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、肌の保湿やターンオーバーを促す作用があるため、毎食野菜を摂るようにしましょう。「1回の食事で5種類以上の野菜を摂取する」など自身のルールを設けると良いでしょう。
2.オメガ-3系必須脂肪酸を摂取する
青魚やアボカド、ナッツ類などに含まれるオメガ-3系必須脂肪酸は、肌の保湿作用があるため、積極的に摂取するようにしましょう。「油類はカロリーが高いから…」と控えがちですが、多種類の食品を摂取することが栄養バランスを保つことがポイントです。
3.摂取量に注意する
栄養素は適量を摂取することが大切です。例えば、ビタミンAや亜鉛は過剰に摂取すると毒性があるため、適切な量を摂取するようにしましょう。
過度な食事制限をしない
乾燥肌の対策として、栄養バランスが偏った食事を避けることが重要です。ただし、過剰な食事制限は逆に健康を損なうこともあります。食事制限をする場合は、無理なく続けられる範囲内で行うことが大切です。
例えば、過度なカロリー制限は栄養不足を引き起こし、肌の健康にも悪影響を与えることがあります。また、糖質制限など偏った食事制限を行うことで必要な栄養素を摂取できず、肌トラブルを引き起こす可能性があります。食べ過ぎや飲み過ぎには注意し、バランスの良い食事をとるように心がけましょう。
カフェインを摂取し過ぎない
カフェインには利尿作用があるため、過剰な摂取は脱水症状を引き起こす可能性があります。そのため、乾燥肌対策においては、カフェインの摂り過ぎには注意が必要です。
カフェインの摂り過ぎによる脱水症状が乾燥肌を悪化させる可能性があるため、摂取量には適度な制限が必要です。カフェインを摂取する場合は、適量にとどめ、こまめに水分補給を行うように心がけましょう。
乾燥肌から卒業し、食生活を改善して、もちもちな弾力肌へ
食生活を改善することは、肌を健康的に保つ上で非常に重要だということをご理解いただけたでしょうか?潤いのある美しい肌目指すなら、インナーケア、つまり「バランスの良い食生活」をすることが近道です。
具体的には、
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、必須脂肪酸、セラミド、タンパク質など
これらが美肌に必要な栄養素です。バランスよく摂取し、適度な運動や十分な睡眠をとることを意識することで、肌のターンオーバーをサポートすることができます。日常生活での心がけや、スキンケアにも気を配り、肌を健康的に保つようにしましょう。