日焼け後に行うスキンケア方法|紫外線による肌への影響
公開
更新
夏に向けて日差しが強くなってきましたね。紫外線対策していますか?
どこの記事を見ても散々「日焼けはダメよー」「老けますよ!」「光老化しますよ!」と言っているので、進んで日焼けをしているという方はいないとは思うんですが…。でもやっぱりどんなに対策していてもいろんな角度から来るのが紫外線ですよね。
みなさんに覚えておいて欲しいのが、日焼けをするとシミとかシワの原因なるっていうのはもう皆さんもご存じだと思いますが、日焼けというのは皮膚に炎症を起こすもので、いわば火傷と同じです。つまり、日焼けをすると軽い火傷を顔にしていることと一緒です。
日焼けした時の状態は、2種類に分けられます。
1つは炎症を起こし皮膚が赤くなる「サンバーン」。外出した後にお肌がピリピリしちゃったりとか赤くなっちゃったりとか火照ったり、唇が乾いたりした経験があると思います。これは紫外線を浴びた後に、肌が赤くなって炎症をおこしている状態です。
もう1つは皮膚が黒く色素沈着する「サンタン」。赤く炎症したサンバーン状態から2~3日後に赤い腫れが引いた痕が黒くなるなど、肌が褐色に変化した状態をサンタンと呼んでいます。
もちろん予防や防御が大切ですが、「じゃあ日焼けをした後はどういうスキンケアしたらいいの?」という点が、気になりますよね?
そこで今回は「日焼け後に行うスキンケア」「日焼けをしてしまったらどういう対処をしたらいいのか」について皆さんにお話ししたいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
日焼けによる肌への影響
一口に紫外線と言いますが、実際はその波長の長さによりA波とB波の2つに分けられています。厳密にいうとC波という紫外線もあるのですが、A波B波とは違い、波長の長さが短く、大気圏層でブロックされ、我々のところには届かないので気にする必要はありません。
一般にA波のことを「UVA」と呼び、B波のことを「UVB」と呼びます。それぞれが肌に与える影響は異なるので詳しく解説していきます。
UVA(A波)の影響
まずは全紫外線の90%以上を占めるUVA(A波)。
別名、生活紫外線と呼ばれています。UVA(A波)の特徴は、パワーは弱いものの雲やガラスを突き抜ける貫通力があります。この性質により曇りの日はもちろん、窓越しに室内まで入ってくるため、じわじわと肌の奥にある真皮まで到達し、肌の老化を進める厄介者です。
UVA(A波)は波長が一番長く、成層圏を突き抜け、表皮をも突き抜けて、さらに真皮の奥にまで入って行きます。
真皮部分まで到着した紫外線の UVA(A波)は何をするかというと、真皮の構成成分で弾力を保つエラスチン線維やコラーゲン線維を変性します。イメージでいうと、プラスチックとかトタン屋根もそうですが、日光をずっと浴びているとボロボロになりますよね。そういう感じです。
しかも、悪いことに真皮を修復する細胞をも傷つけてしまうリスクも持っているという、お肌にとって最大の厄介者になります。UVA(A波)浴びすぎると、コラーゲンやエラスチンが減少もしくは劣化し、真皮の部分がボロボロになって弾力性を失い、美肌の一番大事な要素だと言ってもいい肌のハリを失い、シワやたるみにつながります。
UVB(B波)の影響
次にUVB(B波)は、別名レジャー紫外線と呼ばれ、全紫外線の10%以下ではあるもののパワーがとても強いという特徴があり、海辺で短時間過ごすだけで火ぶくれを起こす原因になります。ただし、波長がUVA(A波)より短いため、雲などに遮られたり、メラノサイトがある表皮の層でブロックされたりして、真皮にまでは届かないという性質があります
UVB(B波)はシミという点に関して悪さをします。UVB(B波)を浴びると、メラノサイトが活性化して肌を守ろうと天然のサンスクリーンのようなバリア、つまりメラニンを作ります。そして、正常な肌サイクル(約28日)であれば、1ヶ月後には垢などになって剥がれ落ちる仕組みです。
でも、年齢や生活環境などの理由から、肌サイクル遅くなって、剥がれ落ちるはずだったメラニンを含んだ細胞が、メラノサイトで居座り天然の入れ墨のようなものをつくってしまう、これがシミです。
日焼けした肌が回復するまでの期間
個人差や、日焼けの具合によって異なりますが、一般的に1週間から3週間程度と言われています。日焼けはやけどにも分類され、「Ⅰ度熱傷」の一種「サンバーン」状態です。Sunというのは「太陽」で、Burnというのは「やけど」ですので「日光によるやけど」ということなんです。
そうは言っても、日焼けにも程度がありますよね。
普通に日焼けをして紫外線にあたってしまったという場合と、浜辺に行って、うたた寝して背中の皮が剥けるほどの日焼けでは全然違うものです。区別の仕方としては、日焼けをして「数時間後にヒリヒリする」、「触るとちょっと敏感になっている」といいうような「日焼け」と、紫外線に浴びて数時間おいて、特に皮膚に「違和感がない」 日焼けをしてしまった、この2つに分けて考えた方がいいと思います。
1つ目の「ヒリヒリする」「敏感になる」日焼けをしてしまった、紫外線を浴びて数時間後で皮膚がヒリヒリするとか触った時になんか 敏感になっている状態はこれもう「サンバーン」の状態で炎症が起きています。この「炎症を抑える」 ことに時間がかかるので、約2~3週間ぐらいは回復に時間が必要だと思います。しかし、火ぶくれ、水ぶくれ、皮むけなどがある場合は、自分で治すのではなく、皮膚科での治療も視野に入れると3週間では収まらない場合もあります。
それから2つ目の、「特に何もない」「日焼けをして数時間経っても特に皮膚に違和がない」「ほてりが少しある」程度のものであれば、即座に冷して、自分の好きな化粧水で水分補給をしてもOKです!
肌の状態によっては、炎症や色素沈着などのトラブルが残ることもあるので、このようなトラブルの可能性を下げるためにも、日焼け後は、できるだけ早めに適切なケアを行い、肌を回復させることで、回復期間が短縮します。
日焼けした後に行いたいスキンケア
外出した後にお肌がピリピリしちゃったりとか赤くなっちゃったりとか火照ったりとか…これは実は放っておくとシミやシワ・たるみの原因になる炎症のサインです。と解説してきましたが、この炎症を抑える方法は何なのか気になりますよね?肌の健康を守るために、日焼け後のスキンケアは重要なことなので、今回ご紹介するいくつか日焼け後のスキンケア方法を実戦してみてくださいね。
肌を冷やす
まずやらなくてはいけないことは「冷やす!」です。
火傷は放っておくと赤みが増したり跡がついたりしますが日焼け後のお肌も同じで、軽いやけどした状態。ですので、炎症の進行を止めるために、なるべく早く火照りを鎮静させることが最優先になります。
・肌を冷やす方法
簡単な方法でいえば、冷えたタオルなどで冷やすだけでも効果があります。日焼け後はすぐにでも冷やした方がいいので、水で濡らしたタオルを日焼けした場所に当てる…これが一番簡単にできて、効果も確実。少し厚手のモノを使うと、ぬるくなりにくいのでオススメです。顔の輪郭ぎりぎりのところから冷やし、目などの細かい窪み部分も冷やしていくといいでしょう。ほてりが強い場合は、タオルに保冷剤を包んで日焼けした場所に当てるのもオススメ。肌に強い刺激を与えないように優しく冷やしてみてください。
冷やすことでシミの原因である、メラニンの生成を抑える効果があります。紫外線を浴びると肌の中で作られるメラニンを増やすヒスタミンという物質が増えます。冷やすことによってこのヒスタミン自体の放出を抑え、結果としてメラニンの生成を抑え込む効果があるわけです。
日焼け後は火照っているので、同じような形で、水分たっぷりのフェイスマスクをつけて水分を補いながら、その上から保冷剤を乗せるのも効果大です。
肌を保湿する
日焼けした後の肌を保湿することは、肌の健康と美しさを維持するために重要です。日焼けした肌は水分が蒸発していて乾燥しやすくなっています。さらに、肌を守るためのバリア機能が低下しているため、外的刺激や乾燥から肌を守ることができません。日焼け後の肌を保湿するためには、以下のポイントに気を配ることが大切です。
・肌を保湿する方法
日焼けした後の肌を保湿する方法についてご説明します。
まず、肌のほてりが落ち着いたら、日焼け止めやメイクを落とし、肌をきれいにしましょう。次に、保湿ケアを行います。日焼けした肌は敏感になっているため、スキンケアアイテムを優しく馴染ませることが重要です。
保湿ケアには美容液や化粧水だけでなく、乳液やクリームも活用しましょう。これらのアイテムを使って肌をしっかり保湿することで、乾燥を防ぎ、肌の健康を保つことができます。保湿剤は肌の水分を閉じ込める役割を果たし、柔軟性と潤いを与えてくれます。
日焼けをした肌はとてもデリケート。保湿ケアを行う際には、肌の状態に合わせて保湿ケアの頻度や使用するアイテムを調整し、肌に合わない刺激の強い製品は避けるようにしましょう。
痛みやヒリヒリ感が落ち着いていれば、美白ケアアイテムを使うのもオススメです。理由は美白ケアアイテムには日焼け後の炎症を回復させてくれるトラネキサム酸というものが必ずと言っていい程を入っています。もっというと、メラニンが表皮細胞に送られるのを阻止するナイアシンアミドというものが入っている商品を選ぶとなお良いです。
日焼け後のアフターケアとしては美白ケアアイテムを使っていただきたいですが、日焼け後は肌が敏感になっているので低刺激のモノをおススメします。とにかくメラニン生成を抑えることが大事なので、美白ケアアイテムをあんまり使ってない人でも、その後のシミやソバカスを防ぐために有効な、日焼け後72時間、つまり最低3日は続けることが大切です。
日焼けした後の肌を保湿するためには、メイクや日常のスキンケアに時間をかけて丁寧に行うことが大切です。保湿ケアを欠かさず行い、肌の健康と美しさを守りましょう。
もし、痛みが強い、水ぶくれの症状があるなど、日焼けの症状が重い場合は医療機関での受診をお勧めします。
日焼け止めの選び方と塗る際のポイント
日焼けという炎症を極力抑えるためにも、美容のためにも日焼け止めは予防の観点で必須アイテム。毎年のようにいろんなメーカーの日焼け止めがたくさん販売され、何を選べばいいのかわからない!という方も多いと思います。
最近のトレンドだと、まず1つ目はアンチエイジング※効果が高いもの。2つ目が汗やマスク対策での塗り直しがしやすいもの。3つ目がファンデーションとの相性がいいもの。この3つのトレンドを抑えた日焼け止めを選ぶことで、日々のメイクがグーンと楽になります。細かく解説していきましょう。
※年齢に応じたお手入れのこと
日焼け止めの選び方
・SPF値で選ぶ
日焼け止めの選び方は、まずはSPF値を重視しましょう。
SPFはUVB(B波=シミや黒くなる原因)を主に防ぐ効果がある指標になります。SPF値が高いほど、紫外線から肌を守る効果が高まります。SPFに関してはちょっと勘違いされている方が多いのですが、SPFの数値の正体はUVBから「肌を守る強さ」ではなく、「耐久時間」なんです。SPF1あたりおよそ20分で、SPF30で約600分=10時間、SPF50で約1000分=16時間であり、SPFの数値が大きくなるほど、肌が赤くなるまでの時間を延ばしてくれるという指標になります。
とりあえず持続時間の長いSPF50にしておけば安心という方も多いのですが、SPF値が高いと洗顔料だけでは落ちにくいので、洗い残しがあると肌荒れの原因にもなりかねません。ということはSPF値だけで日焼け止めを選び、クレンジングなどを使ってしっかり落とさないとかえって、シミやしわが目立ってしまう可能性があります。
目安として、普段使いとか、近所に買い物に出かけるぐらいならSPF20。軽いレジャーとか屋外スポーツでSPF30。1日かけて行うレジャーとかマリンスポーツでSPF50という感じで使い分けていきましょう。
・PA値で選ぶ
次にPA値です。
PA値はUVA(A波=シワの原因や赤み)に対する防御効果を表す指標です。市販で売られているものはPA+からPA++++までのランクがあり、「+」が多いほど防止力が高まり、PA値の中でもPA++++が一番高い効果がある商品となります。
「PA値も高いものを選んでおけば安心!」と思うかもしれませんが、乾燥肌や敏感肌の人には数値が高い日焼け止めを選ぶと、かえって肌に余計な負担がかかり、肌トラブルを引き起こす原因になります。自分のお肌と相談の上「TPO」に合わせて選ぶことが大切になります。
・肌質で選ぶ
敏感肌、乾燥肌、オイリー肌など肌質は十人十色。まずは自分の肌質を理解し、肌トラブルを防ぐために自分の肌質に合ったものを選びましょう。
日焼け止めを大きく分けると、紫外線吸収剤を配合した「ケミカル」なものと、紫外線散乱剤を配合した「ノンケミカル」なものとに分けられます。
敏感肌の人はケミカルな日焼け止めを使うと、ピリッとした刺激を感じる場合が多いので、刺激が少なく、有機化合物が配合されていない「ノンケミカル」な商品をお勧めします。
乾燥肌の方も刺激の少ない「ノンケミカル」の商品で、プラス保湿成分配合の商品をお勧めします。紫外線を浴びた肌は乾きが加速するので、うるおいを保ちながら紫外線を防ぐ商品を選びましょう。
年齢が気になる方は、美容成分がたっぷり入っている商品もオススメです。年齢とともに増えるシミや肌荒れなどに気を使いながら、しっかり紫外線を防いでくれる商品を選びましょう。
・使用するシーンに合わせて選ぶ
海やプールなどの1日かかるレジャーに行く場合の日焼け止めのお勧めは、以下のポイントを考慮して選ぶと良いです。
① 防水性: 水に濡れても効果が持続する防水性のあるウォータープルーフ日焼け止めを選びましょう。
② SPF50以上: 長時間の水辺での活動では、より高いSPF値(50以上)の日焼け止めを選ぶことをおすすめします。約16時間、肌が赤くなるまでの時間を延ばしてくれます。
③ 顔と体用: 顔と体用の別々の日焼け止めを使うことで、顔のデリケートな肌を保護しながら全身をカバーできます。
④ 塗り直し: 水に入った後やタオルで拭いた後は、こまめに日焼け止めを塗り直しましょう。
通勤時に使用できる日焼け止めで、化粧下地としても優れた効果を持つお勧めの製品もあります。
① プライマーとしての効果: 化粧のベースとして使える日焼け止めは、皮脂や汗によるメイク崩れを防止し、化粧の持ちを良くします。汗やテカリを抑制して、メイクのキープ力をアップさせたり、ファンデーションをより美しく仕上げる効果があるものがお勧め。
② 軽やかなテクスチャー: ファンデーションの下になじみやすく、軽やかなテクスチャーの日焼け止めがおすすめです。肌に軽いベールを作り、重くなりすぎずナチュラルな仕上がりを実現します。
③ SPF30以上の高いUVカット効果: 日中の紫外線からしっかりと肌を守るために、SPF30以上の高いUVカット効果を持つ製品を選びましょう。
④ 肌に優しい成分: 敏感肌の方にも適した、肌に負担をかけない成分が含まれている日焼け止めを選びましょう。
⑤ 美容成分の配合: 保湿効果や肌のキメを整える美容成分が配合されている日焼け止めは、肌の美しさをキープしながら紫外線から守ります。
これらのポイントを考慮し、ライフスタイルと肌に合ったSPFとPAの日焼け止めを選ぶことで、肌を保護しながらメイクの仕上がりも美しく保つことができます。
日焼け止めを塗る際のポイント
日焼け止めを塗る際の詳細なポイントをお伝えします。
① 保湿などのスキンケア後に日焼け止めを塗る:
まず、洗顔や保湿などのスキンケアを済ませてから日焼け止めを塗りましょう。肌が乾燥していると、浮いてしまったり日焼け止めの効果が十分に発揮されないことがあります。
② メイクの前に日焼け止めを塗る:
メイクをする場合、日焼け止めを塗る順番はファンデーションやコンシーラーの前です。メイクの上から塗ると、ポイントメイクや仕上げのパウダーが崩れる可能性があります。
③ 顔に5点置きし、外側に塗り広げる:
日焼け止めを顔に塗る際は、両頬・額・鼻・顎の5カ所に適量を置きます。その後、指の腹を使って顔の中心から外側に向かって優しく塗り広げましょう。この方法でムラなく馴染ませやすくなります。
④ 適量を守る:
日焼け止めの効果を最大限に引き出すためには、商品に記載されている適量を守ることが重要です。一般的には1cm²あたり2mg程度の量が推奨されています。少なすぎる量では効果が薄れる恐れがあるため、しっかりと塗布しましょう。
これらのポイントを覚えて、日焼け止めを正しく塗ることで、肌を紫外線からしっかりと守ることができます。十分なケアを行い、健康な肌を保ちましょう。
「日焼けした後はメラニンが生成される3日以内(72時間)のアフターケアが大事!」
日焼けは「軽い火傷」をしている状態です。つまり、時間との勝負です。
日焼け後のシミやシワ、黒い褐色の肌の原因はメラニンの生成です。遅くても72時間以内のスキンケア対策が美肌を守るカギに。
「日焼けをした肌を冷やす!」「日焼けした肌を保湿する」ための方法をお伝えしてきましたが、他にも「日焼けした肌のダメージを助ける食事や睡眠」も重要になります。
水の補給には天然水やミネラルウォーター、ノンカフェインのものや麦茶を選び、ビタミンA/C/Eの抗酸化作用のあるブロッコリー・ピーマン・えんどうなどの緑黄色野菜、グレープフルーツ・オレンジなどの柑橘系、キウイフルーツ・いちご・アボカド・大豆・ごま・ナッツなどを積極的に摂って、カラダの内側から美白を目指すことが大切になります。
紫外線による肌トラブルを防ぐには、睡眠も欠かせません。睡眠不足は肌サイクルを鈍らせ、肌荒れなどのトラブルが引き起こしやすくなります。体の疲れを十分に取るためにも、睡眠をしっかりとりましょう。
少し大変ですが、「3年5年先の自分の肌のためにも」と思って続けるようにしてくださいね。
【スキンケア】日焼けは肌の天敵!日焼けのダメージと対策を徹底解説