ソイプロテインとホエイプロテインの違い|自分に合うプロテインは?
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美容や健康、筋トレなど、カラダづくりに励んでいるときに、プロテインは、一度は選択肢に挙がるアイテムではありませんか?タンパク質が高濃度に配合されていて、食事ではなかなか補いきれない場合や、余分なカロリーを摂らずに厳選してタンパク質を摂りたい場合に、プロテインは有用です。
ですが、プロテインといっても様々な種類があり、「どれがいいのだろう?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。そこで今回は、ソイプロテインとホエイプロテインについて違いを解説しつつ、どんな目的にどちらのプロテインが合うのかなどをご紹介していきます。より効果的なプロテイン選びの参考にしていただけましたら幸いです。
目次
ソイプロテインとホエイプロテインの違い
ソイプロテインとホエイプロテインの主な違いは、それぞれが「植物性」と「動物性」のタンパク質であることにあります。それぞれ性質が違い、吸収力も異なってきます。目的に応じて最適なプロテインを選ぶ際に、次の内容を参考にしてみてください。
原材料が違う
ソイプロテインは、大豆から抽出した植物性タンパク質を含んでいます。大豆は全体の内、約35%がたんぱく質で構成されており、アミノ酸スコア(栄養価)の値が最高点の100で、肉や魚と同じレベル。また、体内で利用される確率も高く、優秀な植物性のタンパク質なのです。一般的に知られるソイプロテインは、粉末にする際、大豆の皮や油脂を取り除いて、タンパク質を抽出したものとなります。
ホエイプロテインでは、牛乳から抽出した動物性タンパク質を含んでいます。牛乳には、ホエイプロテインの他に、カゼイプロテインも含まれており、その割合は「20%(ホエイ):80%(カゼイ)」となっています。よく知られる形では、ヨーグルトの上澄みに含まれているのがホエイとなります。ホエイは別名「乳清」とも呼ばれています。
ホエイは水溶性のタンパク質で、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、免疫グロブリン、ウシ血清アルブミン、ラクトフェリン、ラクトパーオキシダーゼ、プロテオースペプトンなど様々な種類のタンパク質が含まれており、肉や魚などのタンパク質と比べて吸収力に優れているのが特徴です。
吸収速度が違う
プロテインの吸収速度の違いを上手く利用することで、目的に合わせて使うのが望ましいでしょう。
ソイプロテインは、大豆由来の食物繊維が含まれているため、ホエイプロテインに比べてゆっくりと吸収されます。食物繊維は、消化酵素で分解されにくい成分です。そのため、消化に時間がかかり、大豆タンパク質がゆっくりと吸収されます。
一方で、ホエイプロテインは、ソイプロテインに比べて、早く吸収されます。また、液体に含まれる水溶性のタンパク質のため、小腸での消化吸収がスムーズで、胃での消化時間も短くなるため、飲んで素早く利用されやすいのが特徴です。
ソイプロテインを飲むメリットとデメリット
目的に合わせて飲むために、ソイプロテインのメリットとデメリットをご紹介します。プロテインの特徴を上手に使って、最適なプロテイン選びの参考にしてください。
ソイプロテインを飲むメリット
・ダイエットに向いている
前途しましたが、ソイプロテインは大豆由来の食物繊維が含まれているため、消化時間が長くゆっくりとタンパク質が吸収されます。その時間は約5~6時間*長続きできるので、ダイエット中の食事の置き換え食や栄養補給に向いています。
また、パウダーに加工する際に、油脂を取り除いているため、脂質が少ないのもカロリーを抑えたい人にピッタリ。おやつなどの間食や寝る前、食事のコントロールにも、低カロリーで高タンパク質なソイプロテインはダイエット時の栄養サポートに取り入れやすいアイテムでしょう。
*引用: 一般社団法人 日本プロテイン協会
・お腹を壊しにくい
ソイプロテインは、牛乳由来ではないため「乳糖」を含みません。そのため、乳製品で、お腹がゆるくなってしまう乳糖不耐症タイプの人が、プロテインを摂取したい場合に選ばれていることが多くあります。
また、動物性の成分を摂取しないヴィーガンの方にもソイプロテインは支持されています。
・コレステロールを控えることができる
大豆タンパク質とコレステロールの関係性は、論文で多く研究されています。
肉などに含まれる飽和脂肪酸という脂は、コレステロールが気になる人には、とくに避けたい脂質。脂身の多い豚バラやベーコン、カルビ(牛肉)などにはもちろん、鶏皮やホルモンなどにも多く含まれています。大豆に含まれる脂質は、不飽和脂肪酸が約80%といわれており、その上、ソイプロテインとして加工すると脂質も少ないため、健康面を気にしながらタンパク質を摂取したい場合にも向いています。
・美容効果が期待できる
大豆タンパク質には、キレイをサポートする女性に嬉しい成分「大豆イソフラボン」が含まれています。イソフラボンは、女性に適しており、女性の健康や美容に有用なことが注目されています。年齢とともに変化する女性の健康と美をサポートしたい方から、支持されている成分です。
・女性の身体を整える効果が期待できる
大豆タンパク質に含まれるイソフラボンは、女性の変化しやすいバランスをサポートする成分としても注目されています。年齢を重ねていく過程で生じやすい、女性特有の悩みにも寄り添う成分です。
・運動時の栄養補給に効果的
大豆タンパク質は、トレーニングをする人にも役立ちます。体内のグリコーゲンが減ってしまうと、運動パフォーマンスにも影響します。グリコーゲンとは、食べた食品からブドウ糖(グルコース)が、体内で貯蔵される炭水化物の形態となったもの。毎日の食事からしっかり糖質を摂ることで、トレーニング時の栄養サポートに役立ちます。
ソイプロテインを飲むデメリット
・運動時の栄養補給にはあまり向いていない
ソイプロテインやホエイプロテインは、タンパク質が主成分のため、どちらも運動時の栄養補給のサポートになります。しかし、吸収スピードが遅いという点で、使い方によってはデメリットとなる場合があります。運動後、素早く栄養をリカバリーしたい場合、吸収がゆっくりなソイプロテインよりも、吸収スピードが早いホエイプロテインの方がより効率的でしょう。そのため、特徴を活かして目的に合わせて使い分けすることをおすすめします。
また、ソイプロテインも必須アミノ酸をすべて含んではいますが、ホエイプロテインの方が、運動時の栄養補給に役立つエネルギー源となるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が、特に多く含まれているという点で違いがあります。
とはいえ、植物ベースのプロテインでは非常に優秀なタンパク質を含んでいるのがソイプロテインで す。その理由が以下の表からわかります。大豆と鶏むね肉(皮なし)とほうれん草と比べてみると、植物性でありながら、ほうれん草よりも鶏肉に近いレベルの数値になっていることが明らかです。
必須アミノ酸 | 大豆(mg) | 鶏むね(皮なし)(mg) | ほうれん草(mg) |
---|---|---|---|
イソロイシン | 1700 | 1100 | 81 |
ロイシン | 2800 | 1900 | 140 |
リシン(リジン) | 2300 | 2100 | 110 |
含硫アミノ酸(メチオニン) | 1100 | 920 | 64 |
芳香族アミノ酸 | 3200 | 1700 | 180 |
トレオニン(スレオニン) | 1500 | 1100 | 86 |
トリプトファン | 490 | 300 | 41 |
バリン | 1800 | 1200 | 110 |
ヒスチジン | 1000 | 1200 | 50 |
※参照: 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
・製品によっては独特の風味がある芳香族アミノ酸
製品によっては、大豆タンパク質特有の風味が気になる場合があります。きな粉のような美味しさを感じるものもあれば、大豆タンパク質を処理する際に作られる苦味成分が気になる製品もあるかもしれません。
はじめてソイプロテインを飲む場合は、製品のフレーバーや水に溶けやすいかなど、お試しサイズなどでチェックして、自分に合っているか試してから本製品を購入するのがおすすめです。
ホエイプロテインを飲むメリットとデメリット
ソイプロテインとはどのような点が異なるのでしょうか。また、どんな時にホエイプロテインを使うといいのかもチェックしてみましょう。
ホエイプロテインを飲むメリット
・素早く身体に吸収される
ホエイプロテインは水溶性のタンパク質なので、消化酵素で分解されやすく消化・吸収スピードが速いのが特徴です。素早く栄養補給できるため、トレーニング直後に飲まれることが多くあります。
また、消化が早いため、胃腸にかかる負担が軽減されます。その結果、1日に何度も飲む場合でも、身体への負担が少なく、飲みやすくなります。
・牛乳や水に溶けやすい
ホエイプロテインは水溶性の性質を持つため、液体となじみが良く、他のプロテインと比べると溶かす際にダマになりにくいのが特徴です。
水以外の液体にも溶けやすいので、牛乳に溶かして、美味しく飲みたい、多少カロリーも加えたい、吸収スピードを抑えたいなど、目的に合わせて溶かすものを変更してみることもできます。
ホエイプロテインを飲むデメリット
・お腹がゴロゴロしやすい
ホエイプロテインは、原料が牛乳由来のタンパク質のため「乳糖」が含まれています。乳製品に耐性がない人は、お腹がゴロゴロしやすい傾向があるので、不安な場合は、乳糖が少ない製品やソイプロテインを使った製品を選ぶと良いでしょう。
ソイプロテインやホエイプロテインの選び方
上記で解説しましたソイプロテインとホエイプロテインの特徴から、求めるプロテインはどちらになるか簡単にまとめましたので、プロテイン選びに活用してみてください。
目的から選ぶ
健康の維持や美容へのサポート、女性ならではの健康バランスを栄養面からサポートしたい場合には、ソイプロテインがおすすめです。一方で、トレーニングに励み、栄養をとり入れたいと考える場合は、ホエイプロテインを活用すると良いでしょう。
飲みやすさで選ぶ
プロテインは、継続して飲むことが大切です。続けるためにも、味の他にも、生活スタイルに合った飲みやすさ、忙しい時間帯にも作りやすいプロテインの種類などを選んでいく必要があります。
プロテインは大容量で販売されていることが多くあります。思った味と違った、溶けにくくて扱いにくいなど、ちょっとしたことがきっかけとなって、続けられずに溜め込んでしまうことが、プロテインのよくある落とし穴です。
まずは、少容量で販売されているタイプを購入してみて、自分の口に合うか試してみてください。無理なく飲めそうなら、通常量や大容量の製品を購入すると良いでしょう。
ソイプロテインとホエイプロテイン用途に合わせて使い分けよう!
ソイプロテインとホエイプロテインの違いを解説してきました。どちらもタンパク質を摂取できる優秀なプロテインです。極端に異なる「植物性」と「動物性」、吸収力の「ゆっくり」と「早い」これらの違いを活かして、一日の間で使用するタイミングで、種類を変えてみるのも良いでしょう。快適なプロテイン生活に取り入れて、あなたの理想を手に入れてください!