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  4. 美しさの視点 女優・アーティスト 糸川 優

女優やモデル業のかたわら、画家としても活躍する糸川優さん。ハリウッド「feel coralサンプロテクトミルク」のパッケージイラストも手がけています。昨年初めて個展を開催するなどますます躍進する糸川さんに、これまでのお仕事やライフスタイルについてお聞きしました。

女優×絵が交錯した運命のアニメーター役

絵を描く習慣は、道端の草花や自分が育てた植物をスケッチして部屋に飾るところから始まりました。初めは趣味でしたが、20歳ごろから、テレビやモデルのお仕事のかたわらで、ウェルカムボードや似顔絵の依頼をいただけるようになりました。今も、日常のささやかな幸せを描き留めて、見た人が穏やかで明るい気持ちになれるような作品を心がけています。

転機となったのはNHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」に出演したことです。私は、好奇心旺盛でいろいろなことにチャレンジしたいタイプなのですが、当時は芸能とアートどちらかにしぼるべきかどうか悩んでいた時期でもありました。 「なつぞら」のオーディションでは、「アニメーター役で手元が映ることもあるので、絵が描ける人がいい」という理由で幸いにも合格できました。撮影の中で周囲のプロの人たちのお仕事を見ながら、「自分の技術を役に立てたい」と思えた作品で、運命的なものを感じています。そして同時にもっと絵の分野も伸ばしていきたいと感じたターニングポイントでした。

個展開催で分かった自分らしいスタイル

2023年秋に初めての個展を開きましたが、自分のスタイルを見つめ直すことができました。先に会場のスケジュールを押さえてしまったので、個展に向けて「何を描きたいか」「どんな絵なら部屋に飾りたいか」など自問自答を繰り返しました。すると、子どものころの絵柄や手癖、好きなものや色などがわかってきました。その中から今、描きたいものを突き詰めた結果が、今の作風につながっています。「ジャパニジー」という個展のタイトルのとおり、作品には日本らしさを込めています。昭和レトロなど、日本の昔の文化が好きで、日焼けしてくすんだカラーは、ものを長く大切にしてきたからこそ出るものだと思います。そしていつかは海外でも展示会を開きたいと考えています。

“凡事徹底”で健康をキープ

好きなことをして生きるのが健康の秘訣。ストレスが溜まりづらいので元気ですが、制作が続くと引きこもってしまうので、動画を見ながら家でできるトレーニングを継続していて腹筋は割れています。たぶん、スキンケアやおしゃれは一般的な女性よりはちょっと手を抜いてしまっているかも(笑)。でも、「凡事徹底」という言葉を大切にして、朝はなるべく体を動かしたり、自炊をしたり、水をこまめにとったりと、当たり前のことをきちんとするようにしています。

個展「ジャパニジー」にも展示した作品「おかえり」。個展ではアクリル画20点以上の作品を描き上げた。

自分の「好き」にこだわることが美しい

美しいと感じるのは、自分が好きなものを理解して突き詰めている人です。向学心があって、相手のいいところを吸収しようとする姿勢の人と話していると一緒に楽しくなります。悩むことはたくさんありますが、立ち止まらず、ペンを持ったり、散歩に出かけたりする。とりあえず動いてみることで、何かを生み出すことができます。そのおかげで「自分はこれが好きなんだ」ということがわかってきているので、無駄なことはひとつもなかったと思いますね。

絵画鑑賞は、自分の好きを発見する方法として、おすすめです。アートや絵画というと捉えどころがなくて難しいイメージがあるかもしれませんが、好き嫌いで鑑賞するだけでもいいのです。「この絵は好き、なぜか?」と自問自答することで、自分の考え方や好みが分かってきます。絵を通して自分と向き合うと新しい発見があるかもしれません。私は、こうした方法で自分の好きなものを再認識することができました。まずは絵画やアートなどをより気軽に楽しんでみませんか。

虎と着物の女性がハグをしている作品「ぼくも」。

PROFILE

プロフィール

糸川 優

いとかわ ゆう

1991年生まれ、愛知県出身。タレント・女優・モデル業のかたわら、得意な絵画に取り組む。2019年、アニメーターをテーマとしたNHKの朝ドラ「なつぞら」に出演。2023年秋には地元名古屋で初の個展「ジャパニジー」開催。植物や動物をモチーフにした絵画で、ハリウッドの「feel coralサンプロテクトミルク」パッケージイラストを提供している。