洗顔後に肌が乾燥する理由は？洗顔時や保湿ケアのポイント

スキンケア

2023.03.28公開

2023.04.04更新

毎日しっかりスキンケアをしていても、洗顔後の肌につっぱり感が出たり、口元や頬がパリパリだったりと乾燥を強く感じることはありませんか？洗顔は、美しい肌を保つための基礎ともいえる大切なお手入れですが、正しい洗顔の仕方をしないと、乾燥を感じてしまうことがあります。

肌の乾燥を感じた場合は、洗顔料の洗浄力や洗い方、洗顔後の保湿ケアを見直すことで、肌本来のうるおい力がさらに引き上がり、しっとりとしたうるおい肌を目指すことができます。今回は、しっとり美肌を保つために、洗顔後に肌が乾燥する理由と、どんなケアが効果的なのか保湿ケアのポイントをご紹介していきます。

ぜひ、参考にしていただき、うるおいと透明感のある美肌を育てていきましょう。

洗顔後に肌が乾燥する理由は？
乾燥を防ぐ洗顔方法
洗顔後の乾燥を防ぐ保湿ケアのポイント
洗顔後はすばやい保湿ケアでしっとりうるおい肌をキープしよう

洗顔後に肌が乾燥する理由は？

洗顔をした後に、肌が乾燥を感じることがあるのはなぜでしょう？
その理由は、肌の「バリア機能」との関係にあったのです。ここに肌のうるおいを保つヒントが隠されているので、詳しく見ていきましょう。

通常、肌が健やかにうるおっているのは、肌にもともと備わる「バリア機能」のおかげ。水分と油分のバランスが整ったベストな状態が保たれているからです。バリア機能は3つの要素「皮脂膜」「NMF（天然保湿因子）」「細胞間脂質」で成り立っており、肌の水分の蒸発を防いだり、大気の浮遊物質や、紫外線、乾燥などの外的刺激から守ってくれる、優れた体のメカニズムの1つです。

ですが、洗浄力や刺激の強い成分が配合されている洗顔料を使っていたり、念入りに洗顔するあまりに、長時間洗顔したり肌に摩擦を与えすぎてしまうと、バリア機能を傷つけてしまったり、肌に備わる保湿成分を洗い流してしまう場合があります。

【バリア機能3つの要素】

・皮脂膜…角質層の表面を覆う天然の保護膜
・NMF（天然保湿因子）…成分の半分以上がアミノ酸でできていて、水分をたくさん蓄える
・細胞間脂質…角質層内の細胞同士の隙間をセラミドなどの保湿成分で埋めて水分を保持し、刺激物質の侵入を防ぐ

これらの保湿力を保つ機能が、何らかの原因によって弱まることで、洗顔後の肌が乾燥しやすくなってしまうのです。

乾燥を防ぐ洗顔方法

肌がデリケートな状態の時でも、クレンジングや洗顔などの「落とす作業」は手を抜きたくないもの。
落とし切れなかった余分な皮脂や角質、メイクの残りは、毛穴詰まりやニキビ、肌荒れなどの肌トラブルを起こしやすい原因になってしまうからです。敏感な時は、より優しく丁寧に肌を清潔に保つことを心がけましょう。

乾燥を防ぐために意識しておきたい洗顔のポイントをご紹介していきます。普段の洗顔で、手軽に取り入れられることばかりですので、ぜひ、試してみてください。

洗顔料やクレンジングアイテムにこだわる

肌のつっばりを強く感じる場合は、今のアイテムがお肌に合っていないかもしれません。特に肌がデリケートな状態の時は、クレンジング剤や洗顔アイテムが肌の負担となる可能性も。
配合成分をチェックしてみて、保湿成分が多く配合されたものや肌へのやさしさに配慮したアイテムを選びましょう。

コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分が配合されたものもありますし、アミノ酸系は洗浄力が強すぎないことで知られています。また、酵素配合の洗顔フォームでは、うるおいを残しながら古い角質をやさしく除去できるので、健やかなターンオーバーをサポートし、うるおいを逃さず透明感※のある洗い上がりが実感できるはずです。
クレンジングではとくに、クリームタイプやミルククレンジングがおすすめです。
クレンジングの際の、肌への摩擦が少ないですし、オイルが配合されているものが多く、肌のうるおいも守りながらメイクオフができます。
※古い角質や余計な皮脂を取り除いた状態のこと

洗顔料はしっかり泡立てる

洗顔の際に気をつけたいポイントは、肌を摩擦しないことです。摩擦は、肌の表面を傷つけて、バリア機能を低下させてしまい、乾燥肌になりやすくなる場合があります。洗顔では、泡のクッションで直接手が肌に触れることなく洗うのが、肌に優しい洗い方です。

〈クリーミーで弾力のある泡を立てる方法〉

１．洗顔フォームを少し濡れた手のひらに取ります
２．手が真っ白になるくらいフォームをしっかり伸ばします
３．水を気持ち多めに追加して泡立てましょう

このやり方は、洗顔料が乳化され、モコモコとした泡が立ちやすくなります。また、ネットを使うと細かくてしっかりとした泡が作りやすいので、活用してみるのも良いでしょう。

たくさんの泡で優しく洗う

たっぷりの泡を作り、泡で汚れを吸着させるイメージで洗いましょう。少ない泡でゴシゴシと力を入れてしまうと、直接肌に触れる機会が増え、摩擦のダメージを肌に与えてしまいます。手のひらと肌の間の泡を潰さないよう、クルクルと泡を転がすように手を動かして洗ってください。

目元や小鼻、口周りは、指の腹を使い、パーツの形にそって滑らすように手を動かすと、洗い残しなく洗顔ができます。これらのパーツはとくに古い角質が残りやすく、薄っすらくすみ感が出やすいところ。ゆっくり丁寧に泡を転がして、肌にやさしく洗うように心掛けましょう。

ぬるま湯で洗い流す

洗顔は、体温に近い温度40℃以下のぬるま湯で洗い流すのが乾燥を防ぐポイントです。体温くらいの温かさでは皮脂や汚れが落ちやすく、バリア機能を損なうことなく、肌本来のうるおいを保つことができます。
一方、熱いお湯で洗うと、皮脂が取れすぎてしまったり、保湿因子（NMF）などが流れてしまい、乾燥につながります。かといって、冷水で洗うと水の冷たさで、皮脂が固まりやすくなり、毛穴も閉じてしまうことから汚れが残りやすくなる場合もあるので、朝も夜も洗顔は「ぬるま湯」が最適な温度といえます。

乾燥やピリピリと刺激を強く感じる時は、30℃くらいの「ほんのり温かい」と思えるくらいの温度で洗うと、よりお肌にやさしく、うるおいを残しながら洗えます。

洗顔後の乾燥を防ぐ保湿ケアのポイント

洗顔後に乾燥しないようにするには、保湿ケアがとっても重要です。では、長時間うるおいを保つためには、どんなことがポイントになってくるのでしょうか？効果的なケア方法を見ていきましょう。

洗顔後はすぐに保湿する

洗顔後は肌がとても乾燥しやすくなるため、なるべく早く保湿ケアをすることが重要です。一般的に、洗顔後は時間の経過とともに、洗顔前の肌と比べて水分量が減少してしまいます。

洗い上がりの肌は、皮脂や保湿因子など、肌本来の保湿成分が流れ出てしまっていて、一時的に肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなっています。バリア機能を正常に保ち、肌を外的刺激から守り、うるおい保持するためにも、すばやく保湿を行いましょう。

いつもより乾燥を感じたら保湿アイテムを見直す

普段使っている化粧水や乳液でのスキンケアなのに、「最近、顔がつっぱる…」と乾燥を感じることがあったら、アイテムの見直し時期かもしれません。
季節による乾燥しやすい時期や生理周期などの、短期的なゆらぎの場合もありますが、年齢を重ねてきたことで、肌に合うスキンケアアイテムが変わってきている可能性もあります。
そんなときは、スキンケアアイテムの見直しや補助となるアイテムの追加で対応してみてください。

エイジングケア※に力を入れたいなら、今までのスキンケアにエモリエント効果に特化したクリームをプラスしたり、保湿成分が贅沢に配合された少しりリッチな美容液を取り入れたりすると、より乾燥を防ぎやすくなります。いきなりすべてのアイテムを入れ替えるのは勇気がいりますが、追加アイテムから相性の良い物を探していくのもおすすめです。

年齢肌のアイテム選びには、次のような保湿成分が豊富に含まれているものから試してみると良いでしょう。

ヒアルロン酸	1gで6Lもの水分を保持する力を持ち、うるおいを引き寄せて、肌を保湿する。・ヒアルロン酸Na…肌の表面を保湿する・アセチルヒアルロン酸…肌の表面と肌の角層まで・加水分解ヒアルロン酸…肌の角層まで
コラーゲン	肌に馴染みが良く、水分を引き寄せて肌にうるおいを与える。角層のすみずみまで浸透しやすくするために、分子を小さくした加水分解コラーゲンも化粧品ではよく使用されている。
セラミド	肌のバリア機能をサポートして、肌へ水分を与える。角質間脂質の主な成分として、肌のうるおい状態を保っている成分。中でも「セラミドNG」「セラミドNS」と表記されているものは、とくに高保湿。
ホホバオイル	皮膚への馴染みが良い、油性の保湿成分。肌の表面に膜をつくり、肌の水分蒸発を防ぐ。
アミノ酸	水分と結合しやすい成分で、蒸発しにくい水分となる。バリア機能をサポートし、お肌に潤いを与える。皮膚に存在する保湿因子（NMF）の主成分。